20250217 令和6年度 三州教区 普通講習会 併修 人権同和研修会

寄稿者
中園順史 nakazono jyushi

浄福寺の中園順史です。養成道場に3年間通い令和6年12月に無事に満行し、僧侶への新たな一歩を踏めました。

三州教区鹿児島組の浄福寺の中園順史です。私は養成道場に3年間通い、令和6年12月に無事に満行し、僧侶への新たな一歩を踏めました。

そして、自分が所属する浄土宗の三州教区は、現代まで続く仏教や浄土宗のあり方を考える時、そのきっかけとなる歴史を持つ地域でもあるということもあり、それについて詳しく知りたいという思いもあり、今回この講習会に参加させていただきました。

薩摩藩の神仏分離と廃仏毀釈

この講習会での最初のテーマ「薩摩藩の神仏分離と廃仏毀釈」について、お話を聞いて印象的だったのは、やはり江戸末期〜明治期における時代の変化の激しさでした。

アメリカの黒船来航以降に日本に様々な国が来て交流が深まる一方で、衝突もあります。異国との最初の衝突を経験したのが薩摩藩でありました。負ければ貿易などの交流で不利になるということもあり、薩摩藩はイギリスとの戦争に勝つために寺院を利用しました。

更にそこに国学における思想など様々な要因が入り込み、南九州地区における廃仏毀釈はより一層高まったとも言える状況になったのだなと、この講習会を通じて学びました。

人々の心や暮らしの平和や安全を祈る仏教が、変革に伴う争いのために南九州から一度消えたのは、何とも言えない歯がゆさがあります。もし再び同じ様に時代の変革を迎える時には、宗教が人々の心を支える存在となり、失われることなどないようにしなければならないと感じました。

人権についての講習

そして南九州の廃仏毀釈についての講習の次に、人権についての講習がありました。

誰でも分け隔てなく、南無阿弥陀仏と念仏を唱えれば極楽浄土に救われる…という教えを大切にしている浄土宗において、かつては差別に加担してしまったことや、長くその自覚を持つことのなかったという歴史についても学びました。

部落差別問題、ハンセン病患者に対する差別問題など、さまざまな人権課題がある中、こうした事実を重く受けとめる必要があることを改めて思いました。

そして差別は形を変え続けて今もあるということを改めて認識しなければなりません。そうでなければ、僧侶である私自身が差別している側の人間にいつの間にかなっているかもしれないのです。

人権については常に学び続けていかないといけない、そういった感想が私の中ではありました。

浄土宗僧侶としての在り方

以上、講習会に参加して思った感想を述べさせていただきましたが、こうした学びを通してこれまでの歴史の歩みや、過去の間違いを知ることで私自身、これからの浄土宗僧侶としての在り方を見つけられる、そのように感じた講習会でした。

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