教化団だより「さんしゅう」第3号より

浄土宗の宗祖法然上人は、1175年に浄土宗を開かれました。今年(令和6年)は開宗850年を迎えます。「南無阿弥陀仏」とお念仏を称えることによりすべての人が平等に阿弥陀さまに救われていく道(理念)を説かれました。浄土宗をたてた意趣=考えは凡夫、仏教の道理を理解していない者が阿弥陀仏の報土、西方極楽浄土に往生できることを示すためです。その開宗の理念を広く伝えることが私の義務でもあります。
沖縄の文化
沖縄という独特な文化。檀家制度も無し。このお坊さんいやだとなれば、次の法事は別のお坊さんなんてことも。寺にかえれば両親が今日も鍛えられて来たか?と笑顔で迎えてくれます。人の心をつかむということはむずかしいことです。そんな私の弱い心、愚かな心を阿弥陀さまが法然さまが救ってくださるのです。
沖縄の仏教の歴史
歴史をたどると沖縄(琉球)は仏教の影響は大きいです。13世紀中旬に英祖王が浦添城の西にお寺を建立しました。常幸寺もご縁で浦添の地に開山しました。1603年、浄土宗の学僧、袋中上人51歳で中国(明王朝)に渡る決意をしましたが上陸を許されず沖縄(琉球)に漂着。滞在3年間でしたが、国王や民衆に至るまで身近で親しみやすく身分を超え、南無阿弥陀仏を念ずることによって救われると説き布教に努めたそうです。エイサー(念仏踊り)を広めたのも袋中上人です。
浄土宗の教えは根強く浸透しております。私がそれを感じるのは門中墓に納骨をするときです。門中墓とは一族ほぼ全員共同墓の事です必ず、南無阿弥陀仏と書いた旗を置きます。それを書くのはお坊さんです。沖縄葬祭行事書にはナムアミダとお称えします。ゆいまーる(助け合う)という島言葉があります。仏教を実践しているのです。

私も僧侶になって12年目を迎えました。家族はもちろん。沢山の方に見守られて常幸寺は名前のとおり幸せな寺です。女性僧侶としての感性・気遣い(かなりおせっかい)して参ります。

