教化団だより「さんしゅう」第2号より

11月10日。宮崎市のホテルメリージュにて「お寺の未来ミーティング」か開催されました。午前の部は「浄土宗開宗の御心」~お念佛からはじまる幸せ~という内容にて、浄土宗総合研究所から齋藤舜健先生においで頂きました。
先生曰く、次のように話しておられました。
世の中には大小様々な尺度からなる幸せが存在いたします。
幸せとは満ち足りた状態でありますが、幸せな状態が永遠に続くわけではございません。
では、仏教でいう幸せとは何かと申しますと、心が何に対しても執着を起こさず、平らであり穏やかであることでございます。
そうでありたい、と願うものの、凡夫の私たちにとっては不可能です。
そんな私たちに法然上人は「ただ一向に念仏すべし」とお念仏の信仰への道をお示し下さいました。
では、何の為のお念仏なのかと申しますと、法然上人は念仏は自らのための勤めであるとおっしゃいました。
私は故人を偲び追善に念仏をお称えして頂くよう檀家の皆様にお話させて頂いております。
故人の願いとは私たちの幸せであり、お念仏を称え、往生することだからでてす。
故人のためのお念仏が自分自身の往生の願いになっていく。お念仏は究極の幸せであり、極楽(楽、幸せあるところ)へ往生するための行いなのであります。
しっかりしたお念仏を称えるということは、今をしっかり生きることであり、今という時間を大切に生きることであると思います。

午後からは「てら活って何?」「寺院の未来について語り合おう」という内容にて、東海林良昌先生においで頂き、寺院が抱えている問題、その原因、寺で出来ることをグループで話し合い、発表致しました。
仏教離れが進む中、多く上がっていた問題は過疎化であり、過疎化によって寺院・墓地の運営が出来ず、消滅する寺院が増えております。
都会に行かなくても地方で仕事が出来るように国や行政レベルで整えていく必要があります。
寺院としては今まで儀礼を中心としていたので仕事の幅が狭くなったのだと思います。
本来の寺院の役割は儀礼だけを執り行うのではなく、人々にどんな生き方をすれば良いか導いていくことであり、気軽に立ち寄って頂ける環境作りが必要です。
新しい寺院のあり方として、エンディングノート「緑の手帖」や介護者カフェの展開などが提案されました。
運営の仕方は色々ございますが、地域に合った運営の仕方が求められております。

